「2024ファイナル大会」レポートを公開!
日時: 2024年11月17日(日)
場所: モビリティリゾートもてぎ
パーク内・レーシングカート
グリコ× With you Japan
全国から94名の子供たちが参加。
秋晴れの中、熱戦が繰り広げられた
レーシングドライバーの佐藤琢磨が主宰する「グリコ× with you Japan TAKUMA KIDS KART CHALLENGE 2024 FINAL」が11月16日-17日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎのパーク内レーシングカート場で開催されました。初日は子供達の練習走行が行われ、二日目は練習走行からタイムトライアル、決勝プレファイナル、決勝レース、敗者復活レース、決勝ファイナルレースまで行われました。
11年目を迎えたTKKC。
誰もが目指したいビッグ大会に成長
2011年東日本大震災をきっかけに子供たちへの長期的な支援を目指して立ち上げた「With you Japan」。この活動の中で、「モータースポーツの楽しさを通じて、復興地を応援しよう!」という思いで、2014年よりスタートさせたのが、TAKUMA KIDS KART CHALLENGE。今年で11年目の開催となり、子供たちの熱量もますますパワーアップしています。
今年は、全国25か所のサーキットでTRIALが開催され、4月末から9月末までの間で延べ1,576人(過去最高)の子供たちが参加。5ヶ月間もの間、各サーキットでのランキング上位を目指してタイムトライアルに挑戦してくれた回数は総合計で7,438回。ファイナル大会へ出場したいと願う子供たちの強い思いが伝わってくる結果となりました。
全国のサーキットから代表選手が100名選出され開催となるファイナル大会、今年は94名が集結しました。「とにかく少しでも多く子供たちに走行してもらいたい」という佐藤の想いを受け、分刻みのスケジュールをこなすべくスタッフ・ボランティアに加え、歴代の優勝者の保護者がお手伝いに来てくれ、自分が参加者だった時の気持ちを汲んで子供たちや保護者の方に細かくアドバイスをしてくれていたのが印象的でした。
<決勝までのスケジュール>
練習走行ピットスタート ➡ タイムトライアル※1 ➡ 予選ヒートグリッドスタート※2 ➡ 決勝プレファイナルグリッドスタート※3 ➡ 敗者復活※4 ➡ 決勝ファイナル(14名:10周×1組)※5
※1 94名:5周。ベストラップ順(1位~94位)に予選組み合わせを決定
※2 94名:5周×8組。各組上位6位までが決勝進出
※3 48名:5周×4組。各組上位3位までが決勝ファイナルへ、4位5位は敗者復活へ
※4 8名:5周×1組。上位2名が決勝ファイナルへ進出
※5 14名:10周×1組。上位8名がアカデミーへ招待
スカラシップ生も率先して
お手伝いする姿が頼もしい
TKKCでは、アカデミーで良い成績を残した選手に、スカラシップサポートをしていて、そのスカラシップ生には、現地でお手伝いをしてもらっています。今年は、2017年アカデミー優勝の濵邊誠己選手、昨年優勝してスカラシップ生となった井口雄翔選手の2名が現地でサポートに入ってくれました。カート操作に関してや、コースの説明はもちろん、レースで使用する14台のカートの個体差調整の協力など、ファイナル大会を盛り上げのために、裏方に回って大会をサポート。成長した卒業生のたくましい姿を見られるのも嬉しいものです。
子供たちの未来を願うグリコの想い
子どもたちのココロと体の成長を支援したい。という思いでTKKCを長年サポートしてくださっている「江崎グリコ」。今年は、子どもたちの未来への更なる成長のためにということで、アカデミー用のレーシングカートを新調することにご協力を頂き、開会式でお披露目と致しました。アンベールされた瞬間は子供たちから歓声が沸き、誰もがこのカートに釘付けになっていました。佐藤も「アカデミーでこのカートに乗ることを目標にして、ファイナル大会を勝ち抜いて欲しい。」とエールを送りました。
今年も白熱した決勝ファイナル
今年の決勝大会はとてもレベルが高く、練習走行の時から至るところでバトルが繰り広げられていました。そのため長谷川競技長からも常にコースではルールを守って、フェアプレイの心で走行することを徹底。残念ながらペナルティーを受けてしまう子供たちもいましたが、その悔しさを次につなげて欲しいと願うからこそ厳しい判定をつけます。
ファイナルレースのみ10周の周回数となり、決勝プレファイナル・敗者復活レースを勝ち上がった14台がグリッドに並ぶ。誰もが優勝を目指すのはもちろん、8位までに入ればアカデミーに参加できるために、8位入賞を狙う子供たちのボルテージは上がります。一斉にグリッドスタート。トップを狙う攻防戦や、5位、6位と中盤でも常に数台が攻防戦を繰り広げる迫力のレース展開。優勝は、ハーバーサーキット木更津から参戦した児玉惺七選手(5年生)2位はISK大阪舞洲の小野原智選手(6年生)、3位は雨竜サーキットの外﨑優真選手(6年生)。
ファイナルレース終了後は、佐藤がレーシングカートでグリコワゴンとのデモ走行。そして、その後にコース上で単独でパフォーマンスを披露。本物のレーシングカートの迫力に子供たちは「グリコ」から配られたポッキーシューターを両手に持って大歓声を上げていました。
最後の表彰式ではファイナルレース上位8名がアカデミーに進出し、TKKCキャップとグリコのセレクション・ザ・グリコがプレゼント、決勝ヒート各レーストップ3にはメダルが授与された。さらに優勝した児玉選手には、ボルグワーナー・レプリカトロフィーが授与されました。
◆濵邊誠己(2017年アカデミー優勝者)
今年は過去最高のレベルだと思う。スピードもそうですが、バトルの技術があがっていてとてもよいレースをしていると思う。お手伝いで現地に来るようになって今年で6回目。自分が参加していたころの緊張感はもう覚えていない。その分、毎年マシンのセッティングの責任感が強くのしかかり、参加する100人の子供たちの結果を左右することになるので、責任感はいつも強く感じているが、今年はとても良いセッティングができていると思う。
◆井口雄翔(2023年アカデミー優勝者)
スカラシップ生として初めてお手伝いにはいって、大変だけど楽しいという気持ちが勝っている。ずっと夢だったのでとにかくこの場にいられることが楽しくてうれしい。
小学校2年生で初めて参加してから6年生になるまで毎年参加してきましたが、前年の優勝者がスカラシップを受けて、翌年のTKKCの現場にお手伝いで入っている姿を見て、とても輝いていてかっこよくてとにかく憧れていました。マシンのセッティングのお手伝いを中心にできることがあれば何でも頑張ってお手伝いしています。
◆長谷川競技長
世代交代がはじまっていて、毎年参加していた子供たちが小学校卒業とともに、半分以上が新しい参加者になっていて歴史がまた新しくスタートすることを感じている。フレッシュな参加者になり新たなTKKCの幕開けを感じた。アカデミーはカートも新調され、よりハイレベルなところを目指す子供たちにはより成長できる良い機会になっていくと思う。
参加者のレベルが上がってきていることもあり、大会では、より厳しくレースをチェックしている。そのことで、ペナルティーを課せられるこどもたちもいるけれど、厳しくチェックすることで、今後、より本格的なレースに挑戦するときの良い勉強になると思うし、学びの機会にもなると思っている、レースの結果に対して、うれしい、悔しいなどいろいろな感情が湧き上がってくると思うけれども、それ自体が、今後の人間形成を構築するうえでとても重要なことだと思っている。何か夢をもって、夢を掴もうとするときに、うまくいかない、くやしい、そういった思いも、良い経験につながるきっかけにしてほしい。琢磨キッズカートは人間形成の構築していく上でのいろいろな「きっかけ」を学べる機会にもしていきたい。
◆佐藤琢磨
TKKCも11年目となり、子供たちの未来のために自分ができることをやっていきたいと思い、その思いに賛同してずっと応援してくださっている「グリコ」さんにはとても感謝していますし、長年一緒にこのプログラムを作り上げてくれているスタッフの皆さんにも、心から感謝しています。
子供たちには、もちろん、トップレーサーを目指して欲しいという思いはありますが、それだけではなく、TKKCを通して、新しいことへとチャレンジする楽しさや、続けることの大切さなど、いろいろなことを学ぶきっかけになって欲しいです。今日ここに連れてきて下さっている保護者の方や、カートを教えてくれたサーキットの方などへ、感謝する気持ちは大事ですし、コースでは一緒に走行する他の選手たちへのリスペクトも常に持って欲しい。少しでも疑問に思ったりわからないことは質問する元気な姿をたくさん見せて欲しいですね。そして何より、夢をもって頑張ることの大切さを伝えていきたいと思って取り組んでいます。
次回、TAKUMA KIDS KART ACADEMY は12月14日新東京サーキットで開催予定